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2006.08

 
ある信徒さんから

このようなメールを頂きました。ご了解を頂いた上で、掲載させて頂きます。

先日、久しぶりで、林海庵さんのHPを拝見しましたところ、コラムに今回の浄土宗宗務庁の不祥事の件が載っていました。
私達信徒への笠原さんのメッセージでしたが、私なりの感想を持ちましたので、お伝えしたいと思います。
今回の事件ですが、世の中に似たような事件はありますが、宗教界で起きた事だけに、世間の目は厳しいものがあるのかもしれません。しかし私は、今回の事は特別な事ではないと思っています。事務方を僧侶の方が司っているとして、同じ人間ではないですか?
ただ、信徒さんの中には、聖職に就く方に対しては、厳しい目を持っておられる方も多いと思います。

私は、日常生活の中で、父の供養を大切にしています。毎日お仏壇に向かって手を合わせて祈る時、私の心には、いつも父が居ます。わが家が浄土宗であり、そこからご住職と出会い、わが家の菩提寺になって頂けました。そして、浄土宗の教えに触れ、少しずつ「私の家は浄土宗です」と胸張って言えるようになっているのです。
一家の安泰を願う事、それが今の私にとっての「信仰心」であると思っていますので、浄土宗の本部で何があっても、私の信心には変わりがないのです。
むしろ、今回の事件は、遠い世界での出来事のようにさえ感じています。

深い信仰心も持ち合わせていない私が言うのも憚られますが、信徒の中には、今回の事件に惑わされる事なく、日々の供養に努めている者もいる事を、お伝えしたいと思いました。
ご住職との信頼感の下で、みな信心を重ねているのだと思います。

平凡な日常に感謝しつつ、亡くなった人を大切に思って供養する。そんなわが家のお盆が近づいてきました。
今年も宜しくお願い致します。


本当にありがとうございます。
私どもは、信徒さんの信仰生活や、死別の悲しみの心を支えることを務めと心得ておりますが、逆に信徒さんに支えて頂いたり、励まして頂くことも多いのです。このメールを拝読し、正にそれを痛感いたしました。

仏の声は、「沈黙」を通して、あるいは「ささやき声」を通して私たちのところへやってきます。組織内のことはそれとして大事ですが、私自身が日々の信行に曇りなきよう、気をつけて参りたいと思います。

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