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Q&A 62

質問62

仏事一般
昨年父が亡くなり、菩提寺に少なからぬ額のお布施を包みました。こんなことを言うのも何ですが、菩提寺の次男坊が、最近、高級外車を乗り回しています。お布施が外車に化けたかと思うと、虚しい気持ちになってしまいます。どう受け取ればよいのでしょうか?
〈回答 62〉 う〜む、何かがっくりと力が抜けてしまうようなお話ですね。「虚しい気持ちになる」というのもそれはそれとして理解できます。
あなたがふだん、菩提寺さまをどう見ておられるのか、文面だけでは詳しく分かりませんが、もしかしたら肝心なのは「高級外車」よりも「菩提寺と信頼関係ができているのか」ということかもしれませんね。

ただ、「布施行」の本来の目的から言うと、虚しい気持ちになる必要はないのです。それはなぜか? お布施は「布施すること」で完結する修行です。大切なもの(お金など)を、見返りを求めずにただ差し出す。受け取って頂ければ、それで布施行が成満し、功徳を積むことになります。金品と一緒にあなたの「執着心」の一部を差し出すところが、布施の「行」たる所以です。お布施を差し出した時点ですでにあなたは功徳を積み、行は完結したのです。
ですから、布施したお金のその後の使い道をあなたが気にかける、というのは本来は筋が違う話なのです。それに、もしかしたら、その車は別の檀家さんが寄贈されたものかもしれないし、「次男坊」さんがバイトをして手に入れたものかもしれませんよね。いずれにしても、あなたの「布施行」はすでに完結しているわけですから、大丈夫。「布施の功徳は必ず仏さまに届いている」と信じ、こだわりを捨てましょう。

もしも檀家さんから頂いたお布施の収入が適正に使われていないとすれば、それはお寺の問題、または「次男坊」さんの問題です。あなたの問題ではありません。その結果は、やがてお寺や次男坊さんに返ることになるでしょう。

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