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Q&A 95

質問95

仏事一般
葬儀で出棺する時に、親族が「釘打ち」というのをしますね。祖母の時も葬儀社の人に「この石で軽く二度打って下さい」と言われました。あれは何か意味があるのですか?
〈回答 95〉 棺(ひつぎ)の蓋(ふた)に釘を打つのは、言うまでもなく運ぶときに蓋がずれないようにするためです。ではなぜ石で二度打つのでしょう。
まず石について。これは「三途の川の河原の石」と言われます。石に宿る霊力が、それで釘を打つことによって死霊を封じ込める、という意のようです。また遺族の手で釘打ちを行なうのは、故人に対する執着を断つ、という意味。
なぜ二度打つのか、といいますと、ひとつには故人がこの迷いの世界に帰ってこないようにという願い、そしてもうひとつは故人が極楽浄土に無事に往生して欲しいという願いを表わします。これらは、死霊がもたらす不幸や危害を恐れ、それから逃れたい、という心にも通じます。
私自身は、実は「死霊を恐れる」心理が理解できません。亡くなられた方は極楽に往生され、子孫を見守っておられるわけですから、何も恐れることないと思うのですが…。ただ葬儀をお勤めしたときに、故人のご親戚の方が「自分も(あの世に)連れていかれたら困る」と言われるのを(たまに)耳にしますと「ああ、このことかな」と思うわけです。
最近は、遺族の希望で釘打ちをしない、という場合も増えています。習慣的なことですし、地域差もあります。