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Q&A 114

質問114

仏教, 宗教
半年前に主人を亡くしました。本人の希望通り無宗教葬にしましたが、何となく私の気持ちがおさまりません。子供たちは「お父さんの思うようにして上げたんだから、もういいじゃない」と言います。このままだと一周忌もお墓参りだけになってしまいます。独りで鬱々として考え込んでいる毎日です。
〈回答 114〉 本当にお気の毒なことです。
私どもがご葬儀をお勤めする意味は、いろいろあります。故人を仏弟子として阿弥陀さまのお導きに委ねる、ということが最大の意味合いです(この意味合いは宗派によって違います)。一方、宗教儀式の中で故人をお送りすることによって、ご遺族の心が慰められる、という意義も大きいと思っています。また仏事は四十九日、百カ日、初盆、一周忌…と続きます。法事を営むことは大変といえば大変ですが、それらに一つ一つ取り組んでゆくことによって、「故人に対して誠意を尽くしている」という実感も得られます。
「無宗教」ですと、これらすべてが欠落することになってしまいます。「何となく気持ちがおさまらない」「鬱々と考え込む」のも無理もありません。
こうされたらどうでしょうか。ご葬儀に関してはご主人の思い通りにして差し上げたわけですから、その後のことについては奥さまの思うように進める、というふうに—。お寺さんに相談して、ご供養していただくのも良いでしょう。それは決して、ご主人を裏切ることにはなりません。なぜなら、もし無宗教葬でご主人がすでに「安楽の境地」に往かれたのであれば、仮にこちら側の世界で仏事を営んだとしても、(執着から離れた)ご主人の心を乱すことにはなりません。そしてもし、ご主人がまだ迷いの中におられるのであれば、仏事を営むことによって、ご主人を大いに助けることになります。
いずれにしても、ご主人を大切に思うお気持ちあってのことですから、ご主人はきっと感謝されることと思います。
よくお考えになって、また何かございましたらご相談下さい。

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