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Q&A 135

質問135

仏事一般
先日、悲しく、また腹の立つ話を聞きました。祖母の友人である老婦人の話です。
このご婦人は舅と姑、そしてご主人に先立たれ、お子さんもいないため、現在独り暮らしをされています。そこでご自分が亡くなられた後のことを考え、菩提寺に永代供養をお願いされたところ、一霊につき100万円支払うことを求められたそうです。このご婦人は現在、年金だけでつつましやかに生活を送られています。当然ながら、ご自分も含めて400万円を支払う余裕などありません。
世間の人が考えているほど、寺院経営も楽ではないということは私も聞いていますが、年金暮らしの老人に400万円支払いなさいというのはあまりにも酷な話ではないでしょうか。これは戒名料の話にも通じますが、お寺に関することは全般的にお金がかかりすぎているように思います。そして、そのことが一般の人々のお坊様に対する尊敬の念を低下させている大きな要素になっていると思います。
どのようにお考えになりますか?
〈回答 135〉「お寺に関することは全般的にお金がかかりすぎているように思います。そして、そのことが一般の人々のお坊様に対する尊敬の念を低下させている大きな要素になっていると思います。」
そういう部分は確かにあります。
と同時に、それは一面的な見方に過ぎません。

お寺側にも運営上の事情はあります。が、檀信徒の側にも(皆さんではありませんが)それぞれ、いろいろな期待や思惑があるわけです。
たとえば、
  • うちのお寺は格式が高い、と思いたい。
  • お寺やお墓は、いつもきれいで設備が調っているほうが良い。
  • 住職には、立派な法要を勤めて欲しい。
  • お寺の維持のために相応の負担はするつもりだが、かといって払いすぎるのはいやだ。
  • お布施などの負担額は「お気持ちで」ではなく、金額を明示して欲しい。
  • 安定した経営をして、檀信徒に不安を与えないで欲しい。…などなど。
このように檀信徒側の思いもあるわけで、お寺側の一方的な都合によって問題が生じているわけではありません。
私が見るに、多くの寺院は良心的な運営をしています。マスコミなどでしばしば極端なケースが取り上げられるため、それをそのまま受け取る方には、「お寺はどこもそうだ」というかたよった印象を与えている…そう思っております。

そのご婦人が本当に困られているのであれば、ご住職にご事情をよく話し、どういう方法が可能なのか、ご相談されることをお奨めします。話がうまく進まないのであれば、総代さんや世話人さんに中に入ってもらったらいかがでしょうか。

ていねいなコミュニケーションを重ねてゆくことが、遠回りに見えても一番の近道です。私がここでそのお寺を非難したり、逆にそのお寺を擁護したりしても、何の解決にもなりません。
もし可能でしたら、そのご婦人と菩提寺のあいだのコミュニケーションが円滑に進むように、あなたも助けてあげて頂きたいと思います。