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Q&A 139

質問139

仏教
私の父は「自分が死ぬときは、戒名はいらない」と言っています。戒名がなくても構わないのでしょうか?
〈回答 139〉 仏教のご葬儀であれば、基本的に戒名が必要です。
場合によっては、ご俗名でご葬儀をすることもあります。「菩提寺が遠いため、葬儀には来ていただけない。後日、菩提寺から戒名を頂く」または「まだ納骨するお墓が決まっていない、決まってから戒名を受ける」という場合には、ご俗名でご葬儀をあげることもあります。が、いずれにしましても後で戒名を受けます。

戒名は仏弟子としての名前です。俗界から離れて仏の道を歩むということは、いわば新たな生を受ける、ということ。そこで身体を清め髪を剃り、仏弟子たる誓いをたてて、新たな名前を頂きます。これを「没後作僧(もつごさそう)」といいます。亡くなられた後ではありますが、僧侶になる作法を受けるわけです。
ですから、戒名を受けて仏弟子になるということが、仏教の葬儀の大きな眼目なのです。

私たちが人生で負わなければならない重荷は、実にたくさんあります。自分自身の身体、家族、責任、仕事、おつきあい…これらは愛着の対象であると同時に、重荷でもあります。また自分の名前も、大きな重荷のひとつです。他の荷物と一緒にこの「名前」という重荷を下ろし、仏弟子としての新たな名前を受けて仏の世界に足を踏みだす…これが戒名を受けるということです。

戒名の意味(即ち仏式の葬儀の意味)をよくご存知ないまま、「戒名不要」とおっしゃる方がおられるのは、実に残念なことです。