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Q&A 168

質問168

浄土宗
 浄土宗寺院の副住職です。
先日、ある檀家さんから「浄土宗には輪廻の思想はあるのですか?」という質問を受けました。うちの住職は、「浄土宗には輪廻はありませんよ」というように答えていました。
しかし私は、今日人として生まれ過ごしているのも輪廻の迷いであり、この世に生まれる前、前世も六道の色々な迷いの世界を輪廻してきた、と解釈しています。したがって、今度浄土に生まれることができなかったら、再び迷い、六道に生まれ、また人に生まれ…というように思っています。
笠原泰淳上人のご意見をお聞きしたく、質問させていただきます。
〈回答 168〉 「今日人として生まれ過ごしているのも輪廻の迷いであり、この世に生まれる前、前世も六道の色々な迷いの世界を輪廻してきた、と解釈しています。したがって、今度浄土に生まれることができなかったら、再び迷い、六道に生まれ、また人に生まれ…というように思っています。」

同感です。私の意見、ということではなく、それが善導大師、法然上人のお示しだと思います。
自分は過去生において恐らく仏教に縁を結ぶこともあったであろう、それなのに現にこうして生死輪廻の苦海から脱け出せずにいる、この身を輪廻から解脱させてくれるのは、もはやお念仏の教えしかない…正しくあなたのお考え通りです。

ご住職が「浄土宗には輪廻はない」とおっしゃるのは、往生浄土のあかつきには(還相回向=あえて浄土からこの世に還り、衆生を仏道に導くためにはたらくこと、を除いては)もう生まれ変わることはない、お念仏の信者はもうこれ以上輪廻をしませんよ、という意味ではないでしょうか。

「あれまあ、この子はきっと、おじいちゃんの生まれ変わりだよ。」
「いいえ。おじいちゃんは極楽に往生されているので、もう生まれ変わることはありません。」
はなはだ不粋ながら、こういうことになりますね。