質問82
仏事一般
私の父は海が大好きな人です。ヨットや釣り…若いころはダイビングもよくやったそうです。そんな父が最近「もし僕が死んだら、相模湾に散骨して欲しい」と言い始め、少し戸惑っています。父の言う通りにするべきでしょうか?
〈回答 82〉 散骨については、法的には「節度をもって葬送の一つとしておこなわれる限り違法ではない」とされています。
しかし、ご遺骨をお墓に納め、節目ごとにお墓参りをして手を合わせる、という習慣にはいろいろな意味があります。
遺骨との距離感というのは、遺族の心に大きな意味をもつのではないでしょうか。お墓に納めればはっきりとした距離感、遺骨の存在を実感することができますが、海となると、漠然としてしまい、心の置き場に困ってしまうような気がします。
一方、散骨をした場合、もしもご本人がそれを強く希望していたならば「本人の望む通りにしてやれた」という満足感が得られるでしょう。ご本人の希望にも関わらず散骨できなければ、「申し訳ない」という心をいつまでも引きずることになりかねません。
ですから、これらのことを踏まえて、一度お父さまやご家族とよく話し合ってみることをお奨めします。例えば以下のような項目について確認なさってはいかがでしょうか。
しかし、ご遺骨をお墓に納め、節目ごとにお墓参りをして手を合わせる、という習慣にはいろいろな意味があります。
- 手を合わせ、語りかける対象がそこにある。
- お墓参りには(小さな)儀式としての意味合いがあり、お参りをすると「何か良いことをした」安心感がある。
- 「お墓を守る」という仕事をすることで、ご先祖への感謝の念を形にすることができる。
- 寺院墓地であれば、お墓参りのたびにお寺さんと交流をもつことができる。
遺骨との距離感というのは、遺族の心に大きな意味をもつのではないでしょうか。お墓に納めればはっきりとした距離感、遺骨の存在を実感することができますが、海となると、漠然としてしまい、心の置き場に困ってしまうような気がします。
一方、散骨をした場合、もしもご本人がそれを強く希望していたならば「本人の望む通りにしてやれた」という満足感が得られるでしょう。ご本人の希望にも関わらず散骨できなければ、「申し訳ない」という心をいつまでも引きずることになりかねません。
ですから、これらのことを踏まえて、一度お父さまやご家族とよく話し合ってみることをお奨めします。例えば以下のような項目について確認なさってはいかがでしょうか。
- ご本人は真剣にそれを望んでいるのか。
- ご家族は本当にそれで良いのか。(いざというときには、家族の心は大きく揺れます。それを承知で「散骨」を約束できるのか)
- 分骨して一部を散骨する、という選択についてはどうか。