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Q&A 125

質問125

修行
現在、浄土宗の僧階を取得中です。Q&Aの6にあるように、正座は確かに厳しいです。加行(註:けぎょう。僧階を受けるために入らなければならない伝宗伝戒道場)についてゆけるかどうか心配です。どうしたらいいのでしょうか?
〈回答 125〉 「正座が苦手」という方は今や多数派。テーブルに椅子、という洋式の生活をしておりますと、そうなるのもごもっともです。
「どういうふうに苦手か」ということになると、人によってさまざまです。「5、6分でもしびれてしまう」「しびれはしないが、膝が痛くなる」「足首が痛くなる」「足の甲が痛くなる」…

これは、冷たい言い方ですが、慣れて頂くしかありません。僧侶を志す以上、正座は必須です。
毎日畳にじかに正座し、勤行をします。読むお経を少しずつ増やしてゆきます。初めは「10分がやっと」だった方が、「1時間くらいは大丈夫」というようになるものです。

正座は優れた坐法のひとつです。小さいスペースで済み、しかも身体がしっかりと安定します。正座をするときは、背筋を伸ばしてあごを少し引き、胸を開きます。胸とお腹にたっぷりと新鮮な空気を満たせるようにして、声を出すときには下腹を締めて声を支える感じにします。足のしびれ(痛み)だけでなく、全身に気を配ります。のどを充分開き、圧迫したり絞ったりしないようにします。
背中が丸まっていますと、内臓を下方に圧迫するので血行不良になり、下半身がうっ血してきます。背筋を伸ばしますと、呼吸が自然に深くなります。
「外から見て美しい」ことと、「身体が楽である」ことが両立するように工夫します。これは坐法だけに限らず、着付けや立ったり坐ったりなど、すべてに通ずることです。

とにかく、ご自分で慣れるように努力する、ということが第一。そして、「正座が苦手」という方はあなたの他にもたくさんおられます。「何とかなる!」と思って下さい。

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