2020.03
今、思うこと
笠原 泰淳 記(令和2年3月)
新型コロナウイルスのニュースが続いています。東京港区の浄土宗大本山増上寺では、最大の行事である4月の御忌大会が中止となりました。
(Click/Tapで増上寺のサイトに飛びます)
林海庵でも3月~4月の行事を一部中止することにいたしました。
毎月の「お念仏の会」は平成15年から16年余り続けておりますが、中止にするのは初めてのことです。思い起こしますと、このような大規模なことは東日本大震災以来ではないでしょうか。亡くなられた方々のご冥福と罹患中の方々のご快復、そして一日も早く感染が終息することを祈るばかりです。
人間に生まれることは難しく、
やがて死すべきものが
今いのちあることは難しく、
すぐれた真理を耳にすることは難しく、
覚れる方々がこの世に現れたもうのも難しい
法句経にある有名な一節です。
天地父母、さまざまなご縁によって私たちは貴重ないのちを頂き、今それを保てております。しかし、生者必滅・会者定離は世の定め。このいのちがこの世での役割を終えて新しい世界に移るときが必ずやって参ります。日々の暮らしの中で心乱される時もありましょうが、今いのちあることの有り難さを思い、心静かにお念仏を称えるひとときを大切になさって下さい。人さまと会う機会は減るかもしれませんが、どうぞ仏さまの世界に心を向け、また逝かれた方への愛と感謝の心を確かめて下さい。
不安や恐れで心を閉じるよりも、愛と感謝をもって心を開く方が、身体の抵抗力をより高めてくれることでしょう。
南無阿弥陀仏☸