2023.01
平和
笠原 泰淳 記(令和5年1月)
謹んで新春をお祝い申し上げます。本年が皆さまとご家族にとって、お健やかで幸多き年でありますよう心より祈念いたします。
昨年は戦争と平和について考えさせられる年でした。申すまでもなくロシアのウクライナ侵攻に端を発する国家間の相互不信の広がり、そして恐ろしい軍拡競争の兆しが見られたことです。戦争の終結を祈るのはもちろんのことですが、何とかこの相互不信と軍拡の傾向に歯止めがかかるように心から願っております。
すべての者は暴力におびえ、すべての者は死をおそれる。已が身をひきくらぺて、殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ。(法句経129偈)
釈尊の説かれたもっとも大切な教えは不殺生、非暴力です。もし世の中の流れに流されて、「そうはいうものの理想と現実は異なる」というふうに考えるならば、その人は釈尊の教えに反していることになります。少なくとも仏教徒を自認される方であるならば、どうぞこの原則に立ち返って頂きたいと思います。